アニマルパスウェイ研究会

国内・海外の類似例

アニマルパスウェイと同様に、動物のために作られた橋や通り道などを集めました

研究会メンバーが参加したプロジェクト

  • ヤマネブリッジ

    山梨県北杜市の清里高原につくられた、樹上性動物のための橋。ニホンヤマネ保護研究グループが参加。 ヤマネをはじめ野鳥などの利用を確認したが、コストが高く(約2,000万円)、広く普及するには至っていない。

  • エコ・ブリッジ

    山梨県大月市の大型住宅地「パストラルびゅう桂台」の敷地内につくられたリス保全のための橋。清水建設が建設。

その他のプロジェクト

  • エゾモモンガのための橋

    帯広畜産大学・柳川教授と帯広開発建設部により行われたプロジェクト。モモンガは滑空して移動するため、道路をはさんで2本の鉄柱を配し橋とている

  • オランウータンのための橋

    東南アジア・ボルネオの熱帯雨林で、大学・企業・動物園・アーティストなどが参画するプロジェクト。アブラヤシのプランテーション転換のために森林が薄くなり、枝をつたって移動するオランウータンがその影響を受けている。水が苦手な彼らが川を渡れるよう、消防ホースの廃材を利用して橋をつくる取り組みが行われている。

  • イギリスでの取り組み

    ヤマネのための橋のニュース記事

  • カナダでの取り組み

    バンフ国立公園内に設置されている野生動物のための橋。クマ、オオカミ、シカなどの利用が確認されている。

  • フリーダム・トゥ・ローム (Freedom to Roam)

    アウトドア用品メーカー「パタゴニア」などが行う、野生動物の行動域保全のためのコリドー(回廊)計画。日本支社では川の流域での環境保全活動にも着目している。

ヤマネブリッジ 詳細

ニホンヤマネ保護研究グループが建設に全面的に協力した、野生動物のための橋です。
規模が大きくなかなか普及には至りませんでしたが、そのノウハウの多くはアニマルパスウェイに継承されています。

県道28号の清里大橋を渡り、清里駅に向かう途中にある。

森林が分断されると餌を得る機会、繁殖機会が少なくなるため、地域での貴重種の減少や絶滅につながります。 また、同一種内でも遺伝子の多様性は失われ、遺伝子の劣化を招きます。 樹上性動物が安全に道路や線路を横断し、細分化された森を一体的に利用するのためのアニマルパスウェイが必要となります。

工事による森の分断

1998年に山梨県北杜市高根町清里の県道にトンネルが建設され、周辺の森の一部が伐採、分断されました。
この森には、環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されているニホンヤマネをはじめ、たくさんの野生動物が棲息しています。

完成したヤマネブリッジ

ニホンヤマネ保護研究グループでは、保護対策の一環として「ヤマネブリッジ」の建設を山梨県に提案し、道路の案内表示を兼ねる形で建設が実現しました。鋼鉄製の堅牢なつくりで、ブリッジの内部は人がかがんで通れるほどの広さです。

動物のための工夫と成果

設置後、ブリッジの内部の巣箱調査とモニタリングカメラによる写真撮影により、動物の利用を確認しました。